2026年2月のOura Ring Gen4データを集計した。先月(1月レビュー)の最後で、私はえらそうに3つの課題を宣言していた。曰く、休日の就寝時刻を平日と揃える、深睡眠を1時間に近づける、HRVを25ms→27msへ。
2月が終わった。Oura様が28日間記録してくれた答え合わせの結果を先に書いておく。
- 課題① 休日と平日の差: ▲3.72点 → ▲2.24点(差は縮まった、ただし両方下がった)
- 課題② 深睡眠: 0.63h → 0.68h(+3分)
- 課題③ HRV 27ms目標: 25.40ms → 26.65ms(+1.25ms、あと0.35msで届く惜しさ)
つまり、3つとも「惜しい」のである。完全達成はゼロ。完全失敗もゼロ。中年会社員が1ヶ月頑張った結果、Oura Ringは「もうちょい」と判定してきた。これがダイエットなら間違いなくジムを解約しているレベルの停滞感だ。
ただ、データをよく見ると、目に見えない場所で動いた数字もある。ということで、2月の28日分を全部並べていく。

▲ 2026年2月のOura睡眠スコア推移(28日分)
2月の総評:睡眠スコア64.4点。先月から▲2.57点
2月の睡眠スコア平均は64.4点。1月の66.97点から2.57点下がった。中央値は68点で1月と同じ。なのに平均は落ちた。これは「ど真ん中の日々」は変わらず、下振れの日が増えたことを意味する。
分布を見ると、こうなっている。
| 睡眠スコア帯 | 2月日数 | 1月日数 | 差分 |
|---|---|---|---|
| 70点以上(良好) | 10日 | 14日 | ▲4日 |
| 60〜69点(普通) | 9日 | 11日 | ▲2日 |
| 50〜59点(要改善) | 3日 | 4日 | ▲1日 |
| 50点未満(事故) | 3日 | 2日 | +1日 |
| 計測なし | 3日 | 0日 | +3日 |
「計測なし」が3日ある。これは充電切れか未装着である。リングを着け忘れた日が増えた、というのが2月の地味な反省点だ。良好日が4日減った分、下が増えたわけではなく、上が削られた格好。「いい日」が減って「ふつうの日」も減って、「事故の日」と「測ってない日」が増えた。これが偽らざる2月だ。
ベスト3とワースト3
| 順位 | 日付 | スコア | 総睡眠 | 深睡眠 | REM | HRV |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ベスト1 | 2/23(月) | 81点 | 6.14h | 1.05h | 1.81h | 37ms |
| ベスト2 | 2/13(金) | 80点 | 5.99h | 0.92h | 1.79h | 35ms |
| ベスト3 | 2/5(木) | 80点 | 6.11h | 0.83h | 1.71h | 31ms |
| ワースト1 | 2/27(金) | 38点 | 3.15h | 0.43h | 0.51h | 22ms |
| ワースト2 | 2/25(水) | 42点 | 2.84h | 0.40h | 0.86h | 23ms |
| ワースト3 | 2/4(水) | 43点 | 4.65h | 0.81h | 1.44h | 11ms |
ベスト3は全部80点台前半。1月は86点が出ていたので、2月は天井が下がった。逆にワースト3は1月のワースト1(32点・43分睡眠)ほど派手な事故はないが、3日連続で50点を割っている。
特筆すべきはワースト3の2/4。総睡眠は4.65時間とそこまで短くないのに、HRVが11msまで落ちている。ふだん25ms前後の人間が11msを叩き出すと、Oura様は「いやこれ何かおかしいでしょ」と判定してくる。実際この日、体温偏差は+0.62度。たぶん発熱寸前である。
1月課題の答え合わせ①:休日と平日の差は縮まった、ただし両方下がった
1月、私は「休日の睡眠スコアが平日より3.72点低い」という奇妙な現象を発見した。普通は逆のはずなのだが、休日に飲酒・夜更かし・二度寝を全部やっていた結果、休日のほうが寝られていなかった。「休む」ことに失敗していたのである。
2月、これを意識した。意識した結果がこれだ。
| 区分 | 1月 | 2月 | 差分 |
|---|---|---|---|
| 平日睡眠スコア | 68.05点 | 65.12点 | ▲2.93点 |
| 休日睡眠スコア | 64.33点 | 62.88点 | ▲1.45点 |
| 平日-休日の差 | +3.72点 | +2.24点 | ▲1.48点 |
差は縮まった。1.48点ぶん休日が平日に近づいた。ただし、近づき方が間違っている。休日が上がって平日に追いついたのではなく、平日が下がって休日に近づいたのである。これは目標達成と呼んでいいのか。良くない。明らかに良くない。

▲ 1月vs2月、平日と休日の睡眠スコア比較
原因はおそらく、平日の業務負荷が2月に上がったことだ。1月は年始でやや緩く、2月は通常運転に戻った。Oura様は「お前の生活はやっぱり休日のほうがマシってわけじゃないんだな」と冷静に伝えてくる。
1月課題の答え合わせ②:深睡眠は1時間どころか3分しか伸びなかった
1月の深睡眠は0.63時間(37.8分)。これを月平均0.8時間に上げる、というのが課題だった。手段は「寝る前のスマホをやめる」だけ。意識した。
2月の結果は0.68時間(40.8分)。+0.05時間、つまり+3分。誤差にカスったレベルである。「寝る前のスマホをやめる」は、宣言した瞬間からほとんど守れていなかった。守れていれば3分では済まない。

▲ 2月の睡眠ステージ構成。深睡眠(紺)の薄さは1月とほぼ変わっていない
| 指標 | 1月 | 2月 | 差分 |
|---|---|---|---|
| 総睡眠 | 5.48h | 4.92h | ▲0.56h |
| 深睡眠 | 0.63h | 0.68h | +0.05h |
| REM睡眠 | 1.39h | 1.27h | ▲0.13h |
| 睡眠効率 | 81.97% | 80.89% | ▲1.08pt |
| 入眠潜時 | 24.83分 | 21.30分 | ▲3.54分 |
面白いのは、総睡眠が30分以上減ったのに深睡眠だけ伸びたこと。寝ている時間そのものは短いのに、深睡眠の比率は上がっている。短時間でも質は微妙にマシになっている、という見方もできる。Oura様の優しさ寄りの解釈だ。
もう一つ良かったのは入眠潜時。21.30分まで縮んだ。寝つきは確実に良くなっている。これは月内で唯一、明確にプラス評価できる項目だ。
1月課題の答え合わせ③:HRV 27ms目標、26.65msで止まった
1月のHRVは25.40ms。27msまで上げるのが目標だった。2月の結果は26.65ms。目標まで0.35ms足りない。あと一息で届かなかった。
マラソンで言えば、ゴール手前100mで足が止まったような結果である。届きそうな数字に届かないのが一番悔しい。一桁離れていれば「無理だった」で済むが、+1.25msも上げておきながら27msに届かないのは、データを見ながら「あと2日、もう少しちゃんと寝ていれば」と何度も思う羽目になる。

▲ 2月のHRV推移。25ms前後を行き来し、10ms台に2回沈んでいる
HRVが10ms台まで沈んだ日が2月だけで2回あった(2/4、2/7、2/8)。これらは体温偏差や最低心拍からして体調不良が疑われる日で、平均を下げた主因だ。
| 日付 | HRV | 最低心拍 | 体温偏差 | レディネス |
|---|---|---|---|---|
| 2/4 | 11ms | 85bpm | +0.62度 | 40点 |
| 2/7 | 10ms | 89bpm | ▲0.24度 | 50点 |
| 2/8 | 10ms | 75bpm | +0.99度 | 31点 |
2/8の体温偏差+0.99度。最低心拍が普段60bpm前後の人間で75bpm。レディネス31点。Oura様はこの日「あなた、それは熱があります」と画面の向こうから断定してきた。本人の自覚は「ちょっとだるいな」程度だった。本人より先にOura Ringが気づく体験を、2月だけで2回した。
もしこの3日を除外すれば、2月のHRV平均は28.5msまで上がる。目標27msは余裕で達成していた計算になる。つまりHRVは生活習慣で上がりかけたのに、体調不良で平均が殴られた、というのが正確な構造だ。
歩数と睡眠スコアの相関:1月の-0.44がほぼ消えた
1月、私は「歩数と睡眠スコアの相関が-0.44」と書いた。歩いた日ほど寝られない、という奇妙な現象だ。
2月の同じ相関を計算すると、-0.052。ほぼゼロ。相関が消えた。

▲ 2月の歩数と睡眠スコアの散布図。回帰線はほぼ水平
これは「運動と睡眠の関係が改善した」という前向きな話ではない。2月は歩数自体が下がったのである。1月平均7,073歩→2月6,458歩(▲616歩)。さらに、外出の予定があった日/なかった日のばらつきが減った。「外出が多い日=就寝が遅れる」という交絡変数が、外出自体減ったことで影響しなくなった、というだけの話だ。
言い換えれば、「歩いていない月」だから相関も出ない。健康指標の相関は、サンプルの動きがあって初めて意味を持つ。動かない人間からは何も見えてこない。中年あるあるである。
レディネス内訳:「睡眠バランス」だけが赤点
レディネス(その日のコンディション総合)を5指標に分けて見ると、こうなった。
| サブ指標 | 2月平均 | 評価 |
|---|---|---|
| Rd:活動バランス | 90.7点 | ◎ |
| Rd:体温 | 88.8点 | ◎ |
| Rd:HRVバランス | 81.1点 | ○ |
| Rd:安静心拍 | 61.8点 | △ |
| Rd:睡眠バランス | 53.0点 | × |
体温も活動も合格点なのに、「睡眠バランス」だけが53点で完全に赤点である。総合のレディネスが67.80点で踏みとどまっているのは、活動と体温で稼いでいるからだ。睡眠単体で評価したら40点台の月と言ってよい。
「Rd:安静心拍」も61.8点と低い。寝ている間に心拍数が下がりきっていない。要するに寝ているのに体は休めていない。Oura Ringは「あなた、寝てるけど休んでないですよ」と毎日通知してきている。聞いていなかっただけだ。
その他の数値:レジリエンスは大改善、ストレスは悪化
細かい数値の表も置いておく。
| 指標 | 1月 | 2月 | コメント |
|---|---|---|---|
| 血管年齢 | 47.6歳 | 47.05歳 | ▲0.55歳。実年齢より若い |
| SpO2平均 | 97.40% | 97.38% | 正常範囲 |
| 最低心拍 | 65.03bpm | 64.92bpm | ほぼ変わらず |
| レジリエンス | adequate 18 / limited 13 | adequate 15 / solid 10 / limited 0 | limitedゼロは大躍進 |
| ストレスサマリー | restored 12 / normal 11 / stressful 8 | normal 11 / stressful 11 / restored 3 | stressful日数が増加 |
大きな変化は2つ。レジリエンスの「limited(不十分)」判定が13日→0日。これは1月にあった「回復が追いついていない日」が2月は1日もなかった、ということ。代わりに「solid(堅実)」が10日出ている。これはOura様による「あなた、回復力は今月ちゃんとありますよ」のメッセージだ。
もう一つは逆方向。ストレスサマリーの「stressful」が8日→11日に増えた。同時に「restored(回復)」は12日→3日に激減。回復力はあるのに、回復する時間がない、という構造である。
整理するとこうだ。体は2月のほうが頑張れる状態なのに、頑張る量が増えすぎて、結局スコアが落ちた。HRVが上がっても睡眠スコアが下がるカラクリは、ここにあるのかもしれない。
2月のまとめ:「惜しい」が3つ、「微妙に悪い」が4つ
2026年2月のOuraデータをひとことで言うと、こうなる。
体は1月より少しマシになっている。だが生活はそれを上回るペースで詰まってきている。
- HRV +1.25ms(目標まであと0.35ms、惜しい)
- 深睡眠 +3分(目標0.8hには届かず、惜しい)
- 休日と平日の差は縮小(ただし平日が下がっただけ、惜しい)
- レジリエンスlimitedゼロ(これは素直に良かった)
- 入眠潜時▲3.54分(これも良かった)
- 睡眠スコア▲2.57点(悪化)
- 総睡眠▲0.56h(悪化)
- 歩数▲616歩(悪化)
- ストレス日 +3日(悪化)
来月(3月)への課題:また3つだけ決める
1月にやって、2月もやる。やり方は変えない。
- 就寝時刻のばらつきを抑える:2月の平均就寝時刻は00:36、平均起床時刻07:26。床上時間は6時間50分あるのに総睡眠4.92時間。寝つきは改善したが、夜中の覚醒が多い。せめて就寝時刻のSDを縮めることから始める
- 体調が崩れた日(HRV20ms以下、体温偏差+0.5度以上)は無理しない:2月だけで該当日が4日あった。本人より先にOuraが気づくケースが2回もあった以上、リングの言うことを聞くフェーズに入った
- HRV 27msを今度こそ達成する:2月は26.65msで0.35ms足りなかった。体調不良3日を除けば達成できていた数字。3月に持ち越す
たぶん、3月もどれかは「惜しい」で終わる。それでもデータは取り続ける。「惜しい」を毎月積み上げていけば、いつかは届くかもしれない。届かなくてもブログのネタにはなる。それが計測オタクの最低保証である。
では、また来月。