飲み会を断れない40代会社員が、17ヶ月で1,523回の食事・3,944品目を記録した。
お酒を飲んだのは173日、総アルコールカロリーにして11万kcalを超えた。それでも体重は68kg台から65kg台へ、3kg以上落ちた。
「飲んで痩せた」。文字にすると怪しい健康食品の広告みたいだが、こちらは17ヶ月分のあすけんデータがある。なぜそんなことが起きたのか、全データを分析したら答えが見えた。
3,944品目の内訳——17ヶ月、何を食べていたか
あすけんに記録した食事は、2024年10月4日から2026年3月16日まで、509日間で1,523回の食事機会・合計3,944品目。
| 食事区分 | 食事回数 | 品目数 | 1回あたり |
|---|---|---|---|
| 朝食 | 474回 | 1,023品目 | 2.2品目 |
| 昼食 | 483回 | 1,181品目 | 2.4品目 |
| 夕食 | 379回 | 1,407品目 | 3.7品目 |
| 間食 | 187回 | 333品目 | 1.8品目 |
| 合計 | 1,523回 | 3,944品目 | 2.6品目 |
1回の食事につき平均2.6品目。夕食が3.7品目と多いのは、外食・飲み会でつまみとお酒も全部記録するためである。ハイボールも漬物も枝豆も、全部1品目として律儀に入力している。我ながらよく続いた。
朝食の2.2品目はコンビニで買って職場で食べるシンプルパターンが多かった結果。「おにぎり+味噌汁+ヨーグルト」のような構成で、量より回数を優先している。
全期間の平均カロリーは1,663 kcal/日。お米3食を意識した食事で、炭水化物は平均182g・全体の44%を占めていた。
※「お米3食でなぜ痩せたか」の構造は別記事に書いた → お米3食ダイエット1年5ヶ月|▲3.3kg・体脂肪▲2.7ptの全データ
飲酒の実態——173日間、何を飲んでいたか
509日のうち、お酒を飲んだのは173日(34%)。約3日に1回のペースである。書いていて少し冷や汗が出る数字だが、データはデータなので正直に出す。記録した飲み物の品目数は336品目で、1日の飲酒につき平均1.9品目(杯)を記録している。
お酒の種類別の内訳がこれ。
| 種類 | 記録数(杯) | 平均kcal/杯 |
|---|---|---|
| ハイボール | 112杯 | 359 kcal |
| 焼酎ソーダ割り | 75杯 | 594 kcal |
| 生ビール(中ジョッキ) | 43杯 | 176 kcal |
| ビール缶(350ml) | 27本 | 167 kcal |
| 日本酒 | 22杯 | 277 kcal |
ハイボール112杯。これが17ヶ月間の戦果である。「ちょっと多くないですか」と過去の自分に聞きたい。居酒屋ではハイボール、2軒目以降はウイスキーか焼酎のボトル、というのが定番パターンだった。気づけばハイボールが112杯、自分の血液の中を通過していたわけである。
月別の推移を体重と重ねると、興味深いパターンが見える。飲酒が多い月に体重が停滞し、飲酒が減った月に体重が落ちる。当たり前と言えば当たり前だが、データで見せられると説得力が違う。

▲ 月別アルコールカロリーと体重推移。2024年後半は月15,000kcal超の飲酒月も
2024年後半は月15,000kcal超の飲酒月もある。月15,000kcal。1ヶ月のアルコールカロリーだけで、人間1人の1週間分の食事に相当する。書いていて怖くなってきたが、続ける。2025年に入り飲酒が減ると体重も下降していった。
飲酒日 vs 非飲酒日——カロリーはどれだけ違うか
飲酒日と非飲酒日で、1日の総摂取カロリーを比較した。

▲ 箱ひげ図で見る飲酒日 vs 非飲酒日のカロリー分布。飲酒日のばらつきが激しい
| 非飲酒日(n=336日) | 飲酒日(n=173日) | |
|---|---|---|
| 平均カロリー | 1,282 kcal | 2,403 kcal |
| 差分 | +1,121 kcal(飲酒日が約1.9倍) | |
飲酒日は非飲酒日より平均1,121kcal多い。飲み会のたびに、もう1食まるまる追加で食べている計算になる。これが173日続いたわけだから、合計19万kcal。脂肪換算で約27kgに相当する。これだけ食って3kg減なのは、よく考えるとミラクルである。
箱ひげ図を見ると、飲酒日でも1,000kcal台に抑えられた日が存在する。会社の付き合いでビール1杯だけ、というパターンだろう。一方、4,000kcal超の外れ値もある。これは記憶があやふやだが、たぶん「2軒目で天ぷら盛り合わせを頼んだあの夜」あたりである。「飲み会の当たり外れ」がデータにそのまま出ている。
"翌日リセット"の仕組み——飲んだ翌日に何が起きるか
ここからが本記事の核心である。飲んだ翌日と翌々日のカロリーを、飲酒当日と比較した(翌日のデータが揃う167日が対象)。

▲ 飲酒日→翌日→翌々日の3日間カロリー推移(n=167日の平均)。翌日に611kcal自然に減る
| 日 | 平均カロリー | 飲酒日との差 |
|---|---|---|
| 飲酒日 | 2,397 kcal | — |
| 翌日 | 1,787 kcal | ▲611 kcal |
| 翌々日 | 1,813 kcal | ▲585 kcal |
翌日は平均611kcal自然に減少していた。611kcal。意識的にダイエットしているわけではない。ただ単に、飲んだ翌日は朝食を食べる気にならず、昼も軽く済ませるという、極めて生理的な反応が出ているだけである。体が「もうしばらく食べ物の話はしないでくれ」と訴えてくる、あれである。
翌々日も1,813kcalと低水準を維持。3日間トータルで見ると、飲酒1日あたりの余剰カロリーは思ったより小さい。「飲んだ分は翌日と翌々日で勝手に減らす」というオートマチック調整機能が、本人の意思とは無関係に作動していた。
ちなみに、飲み会翌日のOuraスコアは平均▲4.2点・量が多いと▲8点以上落ちることを別記事で実証している → 飲み会の翌朝、Ouraのスコアは何点下がるのか?112日分のデータで検証。睡眠の質は確実に落ちている。それでも体重に影響しなかった理由は、この"翌日カロリー自然減"で説明できる。睡眠は犠牲になったが、体重は守られた。何か取引が成立している。
「記録すること」で起きた3つの変化
17ヶ月・3,944品目を記録し続けて、具体的に何が変わったか。データから読み取れる変化を3つ整理する。
① 飲酒日が自然に減った
2024年後半は月17〜21日の飲酒日があったが、2025年に入ると月7〜13日へ減少した。ほぼ半減である。「記録するのが面倒になったから飲み会を断った」のではなく、単純に仕事が忙しくなり回数が減った、というのが正直なところ。結果として、忙しさが肝臓を救ったのである。
② 翌日の自然調整が定着した
飲んだ翌日のカロリーが611kcal下がるのは、意図的な制限というより習慣的な食パターンの結果である。記録を続けることで「昨日飲んだから今日は軽めにしよう」という感覚が無意識に根付いた。記録は意識を変え、意識は行動を変える。3,944品目入力した先に、こういう副産物があった。
③ 平均カロリーが把握できた
非飲酒日の平均が1,282kcalというのは、普段の食事がかなり少ないことを示している。これは記録なしでは絶対に気づけなかった事実である。「自分はもっと食べているはず」という体感と、実数1,282kcalの差は大きい。飲み会があっても週トータルで見れば適切なカロリー範囲に収まっていたのである。
※体組成側でも同期間に体重▲3.3kg・体脂肪率▲2.7ptが確認できている → 体組成計に510日乗り続けた結果|タニタRD-60S実測データ
まとめ——飲みながら痩せた本当の理由
3,944品目を記録して分かったことを一言でまとめると、こうなる。
「飲み会は高カロリーだが、翌日の自然減で週単位ではバランスが取れていた」
飲酒日のカロリーは非飲酒日の約1.9倍。ただし翌日は611kcal自然に減少する。173日間の飲酒があっても、17ヶ月トータルの平均は1,663kcal/日に収まり、68kg台から65kg台への減量を達成した。
結局のところ、痩せたのは「我慢」ではなく「記録」のおかげだった。アプリに入力するだけ。それが17ヶ月継続できた最大の理由である。サラダチキンを噛み続けていた2年間と比べると、何も我慢していないのに体重が落ちている、というのは皮肉な話だ。
使用ツール・デバイス
この記事で使用した記録ツール:
- あすけん(食事記録アプリ) — 3,944品目のデータソース
- タニタ体組成計 — 体重・体組成の追跡
- Oura Ring — 飲み会翌日の睡眠スコア計測
タニタ体組成計はスマホ連動でHealth Planetに自動記録されるため、毎朝乗るだけで体重推移が可視化される。手入力ゼロで510日続いた仕組みは別記事に書いた。