前回、お米3食ダイエット最初の半年で体重が▲0.4kgしか動かなかった話を書いた(停滞期編)。
その続きである。2025年4月、7ヶ月目に入った頃から、急に体重が動き出した。5ヶ月で▲1.43kg。停滞期と何が違ったのか、私はずっと不思議に思っていた。
「お米3食」の方針は変わらない。あすけんスコアもほぼ同じ。カロリーを大幅に減らしたわけでもない。飲み会の頻度もほぼ変わらない(7月は月13回飲んでいた)。なのに体重だけが動いた。
今回、Oura Ringのデータをじっくり見直して、ようやく腑に落ちた。動いたのは「摂取」ではなく「消費」の方だった。つまり、私の代謝が静かに回復していた。元記事で触れたけんとのダイエット講座の予告——「代謝が戻るまで横ばいになる」——は、本当だったのである。

▲ 減量期5ヶ月の体重推移。岩盤の半年が終わると、人は動き出す。
結論を先に:5ヶ月の戦果一覧
停滞期と違い、今回は数字が動いている。生きている数字である。
| 項目 | 開始(2025年4月) | 終了(2025年8月) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 体重 | 67.27kg | 65.84kg | ▲1.43kg |
| 体脂肪率 | 15.66% | 14.77% | ▲0.89pt |
| 筋肉量 | 53.78kg | 53.22kg | ▲0.56kg |
| 内臓脂肪レベル | 8.76 | 7.94 | ▲0.82 |
| 体内年齢 | 34.8歳 | 33.9歳 | ▲1.0歳 |
5ヶ月で▲1.43kg。月平均で▲0.29kgのペースである。停滞期の半年で▲0.4kgだったことを考えると、月あたりのペースは約4倍に加速している。急加速ではないが、停滞期から見ると別世界だ。
注目すべきは内臓脂肪レベルが8.76→7.94に下がったこと。タニタの基準では10未満が「標準」、10〜15が「やや高い」とされている。標準範囲の中でも、より下に進んだ。体内年齢も1歳若返った。地味だが嬉しい変化である。
月別データ:じわじわと、しかし確実に
月ごとの推移を見ると、停滞期のような暴れた波はない。緩やかな下り坂を、淡々と歩いている感じである。
| 月 | 体重平均 | 最小 | 最大 | 体脂肪率 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年4月 | 67.27kg | 66.1kg | 68.4kg | 15.66% | ▲0.86kg |
| 2025年5月 | 66.78kg | 65.6kg | 67.6kg | 15.60% | ▲0.49kg |
| 2025年6月 | 66.40kg | 65.6kg | 67.3kg | 15.38% | ▲0.38kg |
| 2025年7月 | 65.93kg | 64.7kg | 67.4kg | 15.21% | ▲0.47kg |
| 2025年8月 | 65.84kg | 65.5kg | 66.3kg | 14.77% | ▲0.09kg |
4月、いきなり▲0.86kg。これは前月の3月から見たら最大の変動である。「あれ、減ってない?」と気づいたのはこの月だった。5月、6月、7月、8月と、毎月少しずつ減り続ける。5ヶ月連続で前月割れ。停滞期の私が見たら涙を流す数字である。
注目は7月、最小体重が64.7kg。これは記録開始以来初めての64kg台後半である。「6」の数字を最初に見た瞬間は、思わずタニタを二度見した。故障を疑った。疑ったが、故障ではなかった。本当に減っていたのである。

▲ 体重(青)も体脂肪率(オレンジ)も、両方が右肩下がり。停滞期と違い、両者の方向が一致している。
まず却下された仮説:カロリー説
体重が動いた理由を、最初は「カロリーが減ったから」だと思った。これがダイエットの一般論だからである。でも数字を並べてみると、そんなに減っていない。
| 月 | あすけんスコア | 記録上のカロリー | P(g) | F(g) | C(g) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年4月 | 52点 | 1,695kcal | 78.2 | 49.5 | 181.3 |
| 2025年5月 | 50点 | 1,805kcal | 76.6 | 56.4 | 204.1 |
| 2025年6月 | 51点 | 1,804kcal | 76.6 | 54.4 | 197.8 |
| 2025年7月 | 54点 | 1,655kcal | 71.4 | 53.4 | 180.7 |
| 2025年8月 | 54点 | 1,637kcal | 77.9 | 53.0 | 188.8 |
停滞期の月平均は1,971kcal、減量期は記録上1,719kcal。差は▲252kcal/日である。1日おにぎり1.5個分しか減っていない。
正直に書きます:このカロリー記録は信頼できない
ここで正直に告白する。減量期のあすけんカロリー、特に飲み会日の記録は不完全である。
日記を見返すと、4月から7月までの飲み会回数はこうだった。
- 4月: 9回
- 5月: 9回
- 6月: 10回
- 7月: 13回(月の半分近い)
月8〜13回。停滞期と変わらない、それどころか7月は明らかに増えている。「飲み会を減らしたから痩せた」という物語は、最初から成立しない。
では飲み会日のあすけん記録はどうなっていたか。確認すると、飲み会の途中まで記録して、酔って後半の記録を入れずに寝てしまった日がかなりある。特に7月は飲み会13日のうち9日(69%)が「記録1,000kcal台」で終わっていた。明らかに足りていない。
これらの日を「実際は2,800kcal食べていた」と仮定して再計算すると、減量期の月平均カロリーは以下のようになる。
| 月 | 記録上カロリー | 飲み会補正後 | 差 |
|---|---|---|---|
| 2025年4月 | 1,695kcal | 1,818kcal | +123 |
| 2025年5月 | 1,805kcal | 1,936kcal | +131 |
| 2025年6月 | 1,804kcal | 2,007kcal | +202 |
| 2025年7月 | 1,655kcal | 2,102kcal | +448 |
4ヶ月平均で約1,966kcal。停滞期(1,971kcal)とほぼ完全に同じである。誤差の範囲。
つまり摂取カロリーは、停滞期と減量期で実質的に同じだったのである。「カロリーを削ったから痩せた」は、私のデータでは成立しない。
真犯人:消費カロリーが増えていた
では何が変わったのか。摂取が同じなら、消費が増えたとしか説明がつかない。そして実際、Oura Ringのデータを見ると、消費の方が動いていた。
| 指標 | 停滞期(2025年1〜3月) | 減量期(2025年4〜8月) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 活動消費(kcal/日) | 271 | 333 | +62kcal |
| 総消費(kcal/日) | 2,230 | 2,290 | +60kcal |
| 歩数(歩/日) | 6,125 | 6,696 | +571歩 |
| 最低心拍(bpm) | 63.1 | 59.9 | ▲3.2bpm |
| HRV(ms) | 24.9 | 29.6 | +4.7ms |
※Ouraの計測は2024年12月29日からのため、停滞期は1〜3月の3ヶ月平均で比較
1日あたり消費カロリーが約60kcal増えている。月にすると+1,800kcal。これは脂肪換算で約0.25kg分。減量期5ヶ月で1.25kg分。体重が▲1.43kg減った理由として、ほぼ説明がつく。
歩数が571歩増えた効果も含まれているが、注目すべきは最低心拍が▲3.2bpm下がっていること、そしてHRVが+4.7ms上がっていることである。これは「同じ動きでも体が効率よく動くようになった」ことを示す指標だ。つまり、基礎代謝が上がっていた可能性が高い。
けんとの予告は本当だった
ここで思い出すべきは、元記事で書いたけんとのダイエット講座の予告である。
「お米食に切り替えた最初のうちは、代謝が回復するまでの間、一時的に体重が増えたり横ばいになったりすることがある」
この予告がなければ、私は3ヶ月目で挫折していた。「お米食べて痩せるなんて嘘じゃないか」と判断して、また糖質制限に出戻りしていた可能性が高い。
でも予告があったから、6ヶ月の岩盤を耐えられた。そして耐えた後、本当に予告通りのことが起きた。HRV+4.7ms、最低心拍▲3.2bpm、活動消費+62kcal/日。これらは「代謝が戻った」と表現するのが、私のデータで一番しっくり来る変化である。
「代謝が戻った」を主観で語ることは、ダイエット界隈ではよくある話だが、Oura Ringの数字で、しかも他人と比較しない自分の前後比較で見えるのは、計測オタク冥利に尽きる。

▲ Oura Ringが捉えた代謝回復のサイン。3つの指標が同じ方向に動いている。
体重・体脂肪率以外で動いた指標
内臓脂肪レベル: 8.76 → 7.94
減量期5ヶ月で▲0.82。タニタ基準では10未満が標準だが、その中でもさらに下に進んだ。「標準の中の優等生」ゾーンに入りつつあるのだ。40代男性としてはかなり良い。
体内年齢: 34.8歳 → 33.9歳
1歳の若返り。停滞期と合わせると、開始時37.0歳から33.9歳まで合計▲3.1歳分若返ったことになる。体重▲2.7kgで内臓と筋肉が3歳分若返るなら、コスパが良い。
筋肉量: 53.78kg → 53.22kg(▲0.56kg)
これは正直、減らしたくなかった指標である。減量期は体重が動くと筋肉も多少削れるのは仕方ない。それでも0.56kg減で済んだのは、お米3食でしっかり炭水化物を取っていた効果だと思う(タンパク質だけ取って糖質を絞ると、もっと筋肉は落ちる)。
減量期の3つの教訓
- 「動き出した瞬間」は突然来る。毎日体重計に乗っているとわかるが、ある月から急に下げ止まらなくなる。停滞期を続けていれば、それは必ず来る(と、停滞期を抜けた人間が言っている)。
- カロリーじゃなく代謝が動いていた。摂取はほぼ変わらない。変わっていたのは消費の方。「ダイエット=カロリー制限」という常識は、私のデータでは半分しか合わなかった。残り半分は「代謝の回復」だった。
- 食事記録には限界がある。飲み会で酔っぱらった日のあすけん記録は、間違いなく実態より低く出ている。計測オタクとして正直に書くと、自分のあすけん記録は信用しすぎないほうがいい。でも、代わりにOura Ringの「消費」側のデータがあった。1つのデバイスで足りない部分を、別のデバイスが埋める。これが計測オタクの強みである。
停滞期で苦しんでいる人へ。お米3食を続けてください。そして体重計だけでなく、できれば消費カロリーや心拍が見えるデバイスも併用してください。動いていないように見えても、体は静かに変わっている。その瞬間が来た時、データはちゃんと教えてくれる。

▲ 代謝回復の証拠を捉えてくれたOura Ring Gen4。停滞期の心の支えはタニタ、減量期の答え合わせはOuraだった。
次の記事:定着期編
減量期5ヶ月で▲1.43kg。65.8kgまで来た。ここから先、体重をどう「維持」するかが問題になる。2025年9月、私は1年経った節目に、わかりやすくリバウンドを食らう。+0.6kgのリバウンドである。
そこからの8ヶ月間、65kg台で粘った話は次の定着期編へ↓
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※本記事のデータはあすけん(食事)・タニタRD-60S(体組成)・Oura Ring Gen4(活動・睡眠・心拍)を毎日記録した実測値です。あすけんの飲み会日の記録は不完全な日があり、本記事ではそれらを「実際は2,800kcal」と仮定して補正しています。Oura Ringの計測は2024年12月29日からのため、停滞期との比較は2025年1〜3月の3ヶ月平均で行いました。

