
結論:Apple Watchの「高血圧の可能性」は、当たっていた
先に言ってしまう。当たっていた。
2026年4月11日、私のApple Watchが「高血圧の可能性」と通知してきた。過去30日の脈のデータに、高血圧に関連するパターンが出ている、と。正直、最初は信じていない。Apple Watchには血圧を測るカフ(あの腕を締めつけるやつ)が付いていない。付いていないのに、なぜ血圧の話ができるのか。
そこでカフ型の血圧計を買って、自分で測ることにした。51日間。
結果がこれである。

▲ iPhoneヘルスケアが吐き出した血圧レポート。平均153/103。Apple Watchの予言の答え合わせである。
そもそも、何を見て「高血圧の可能性」と言ったのか
この機能、仕組みを知るとなかなか不気味である。
Apple Watchの裏にある光学式心拍センサー(緑に光っているあれ)は、脈を打つたびに血管がどう反応するかを見ている。血圧が高いと、その波形の出方が微妙に変わる。その微妙な変化を30日ぶん溜めて、機械学習で「高血圧パターンあり」と判定する。血圧そのものは測っていない。脈の癖から、血圧の高さを推定している。
日本では2025年12月4日に使えるようになった。対応はApple Watch Series 9以降とUltra 2以降で、SEは非対応。22歳未満・妊娠中・すでに高血圧と診断済みの人は対象外、という但し書きが付く。
正直に書いておくと、この「脈波のどこを見て当てているのか」の原理は、解説を読んでも私はまだ腹落ちしていない。当たった事実だけが手元にある。
半信半疑で、血圧計を買った
選んだのはタニタのBP-218L。手首式である。上腕式のほうが精度は上、というのは知っている。それでも手首式にしたのは、私が「飲んで家に帰らない夜」がそこそこある人間だからだ。据え置きの上腕式では、肝心の荒れた日のデータが穴になる。精度を一段落として、どこでも測れるほうを取った。測れない日の正確な値より、毎日測れる手首の値。計測オタクの優先順位なんて、だいたいこういう妥協でできている。
ついでに言うと、これが体組成計のタニタ RD-60Sと同じHealthPlanetアプリに同期される。血圧も体重も体脂肪も、一つのアプリに溜まっていく。便利だが、悪い数字が一箇所に集まっていくのを眺めるのは、なかなかの気分である。
通知が来てから3日後、4月14日。初めて測った数字がこれだ。
164/121。
(高い。高すぎる)
下が121というのは、上が高いより個人的にゾッとした。1回目から、Apple Watchの肩を持つしかない数字が出てしまった。まぐれかもしれない。そう思って、毎朝測り続けることにしたのである。
答え合わせ:51日測った結果
4月14日から6月7日まで、買ってきたBP-218Lで測り続けた。記録できた51日ぶんを並べると、こうなる。

▲ 通知後51日間の血圧推移。赤い帯から下に出た日がほとんどない(タニタ BP-218L・手首式)。
| 収縮期(最高) | 拡張期(最低) | |
|---|---|---|
| 平均 | 150.6 | 101.7 |
| 中央値 | 151 | 102 |
| 最小〜最大 | 110〜176 | 63〜124 |
家庭で測る場合、上が135以上で「高血圧」とされる。私の51日間のうち、135以上が48日。割合にして94%である。さらに160以上が22%(5日に1日以上)。たまたま高い日があった、という話ではない。低い日を探すほうが難しい。
Apple Watchが見ていたのは4月10日までの30日。私が測ったのは4月14日から。別の期間を、別のデバイスで測って、同じ結論に着地した。これはもう、当たっていたと認めるしかない。
いちばん容赦なかったのは、Apple自身の分類だった
ヘルスケアアプリは、測った値を勝手にガイドラインに当てはめて分類してくれる。ありがた迷惑な機能である。5月10日からの32日ぶんを、Appleはこう仕分けた。
| 分類(ESCガイドライン・1日平均) | 日数 |
|---|---|
| 非高血圧 | 1日 |
| 高値血圧 | 3日 |
| 高血圧 | 17日 |
| 高血圧緊急症 | 11日 |
32日のうち、まともだったのは1日だけ。そして「緊急症」が11日。3日に1日は、本来その場で病院に行くべきレンジだったということになる。自分のデバイスに自分の数字でここまで言われると、さすがに言い訳のしようがない。
で、結論
Apple Watchの「高血圧の可能性」は、私の手首では当たっていた。光学センサーが脈の癖を読んだだけの推定が、カフ型の実測と、Apple自身のガイドライン分類の、両方に裏付けられた。
当たってほしくない予言ほど、よく当たる。
——というわけで、私は観念して病院に行くことにした。その話(採血されて薬が出た)は、また別に書く。
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